3Dスキャナで行うデータ化|感覚で削ったウェッジの再現を可能に
2026.01.22
感覚で研磨したウェッジを3Dスキャナでデータ化する理由とは。職人の感覚をその場限りにせず、確認や再現につなげるための考え方とスキャン工程を分かりやすく紹介します。
感覚で仕上げたウェッジは、その場限りになりやすい
ウェッジの削りは、数値だけでは語れません。
実際に使う人の打ち方や感覚を聞きながら、その場で少しずつ削っていく。
そこには、職人の経験や直感が大きく関わっています。
今回行ったのは、そうして感覚で仕上げたウェッジを3Dスキャナでデータ化する作業です。
使い手の意見と作り手の感覚で削られたウェッジ
対象となったのは、実際に来社された方の意見を聞きながら削ったウェッジです。
52度は要望を細かく反映し、 60度は「任せる」という言葉を受けて、削り手の考えを多く取り入れています。
このような調整は、その場では非常に完成度が高い反面、後から同じ形を再現することが難しくなります。
なぜ3Dスキャナでデータ化するのか
感覚で削った形は、「どこを、どれくらい削ったのか」を言葉や記憶だけで正確に残すことができません。
そこで使われるのが、3Dスキャナです。
削った形を立体データとして残すことで、後から確認したり、再現することが可能になります。
反射を抑え、複数方向からスキャンする理由
スキャナで正確に形状を読み取るためには、準備が必要です。
表面の反射を抑えるためにつや消し処理を行い、ヘッドを複数の角度からスキャンします。
一度では読み取れない部分は、角度を変えて何度もスキャンし、取得したデータを合成していきます。
不要なデータを除去し、形だけを残す工程
スキャン時には、固定用のブロックなど、不要な部分も一緒に読み取られます。
それらをデータ上で取り除き、削った形状そのものだけを残すことで、正確な立体データが完成します。
感覚を否定しないためのデータ化という考え方
重要なのは、3Dスキャナが感覚を置き換える道具ではないという点です。
数値ありきで形を作るのではなく、感覚で作った結果を後から記録するための道具。
それが、この工程の役割です。
感覚と技術を両立させるための裏方の技術
ウェッジ作りには、感覚と技術の両方が欠かせません。
3Dスキャナは、職人の感覚を次につなげるための裏方の技術です。
その積み重ねが、安定したクラブ作りにつながっていきます。
